1.お客様

静岡県 伊藤様
AZ50SL 6000K
平成21年7月26日、AZ50SLを使用して灯火採集を行ったレポートをいただきました。HIDハンディライトを使って初めて灯火採集する場合のヒントがちりばめられています。

2.ご購入の動機

私は国産クワガタの中でもミヤマクワガタが好きなのですが、自分で捕まえたことはないし、お店でもほとんど見かけません。何とか自分で採集できないかな、とここ数年思っていました。

去年の夏、仕事の帰りに立ち寄った場所で偶然ミヤマクワガタの♂の死骸(頭部のみ)を見つけ「このあたりにはミヤマがいるのか!」と興奮しました。
しかし近くに山への侵入口らしき箇所はなく、クワガタ採集の経験も皆無なため樹液採集はあきらめました。

そんな折、ミヤマクワガタは走光性が高く、外灯や灯火で比較的簡単に採集可能という記事を見つけ「灯火採集をやってみたいな」と思うようになりました。

しかし、現在主流とされる発電機+メタハラによる灯火方法は値段が高くまた機材の収納場所を考えるとどうしても手が出せませんでした。

そして今年の6月に灯火総研様のホームページを見つけ、その値段とコンパクトさが決め手となりAZ50SLリビルト品の購入を決意したのです。

3.採集記

7月初旬に製品が届いてから早く採集に行ってみたいと思いましたが、虫の飛びは月齢に大きく左右されると知ったので新月に近い頃を待っていました。

しかし今月後半は梅雨らしい空模様で、このままでは月齢の良い期間が過ぎてしまうと思い、怪しい曇り空ながらも雨は降っていないということで26日に採集を決行しました。

仕事の残業の影響で現地到着が20時頃。現場周辺は雨は降っていないものの、ところどころ霧がかかり時々風も吹くというあまり良くないコンディションでした。それでもせっかく来たので20時10分灯火採集開始!
AZ50SL点灯開始

山までは近いですが、霧を考慮しフォーカスは最スポットより少しだけ緩めた位置にします。

幸い自分が照射した山には霧がほとんどかかってなくしっかりと光が山に届いています。
光がしっかり山に届いています

気になっていた点灯時のキィィィ・・・という電子音は、屋外で2〜3メートル離れた位置からではほとんど聞こえませんでした。ほぼ無音といっていいでしょう。

さて、点灯直後から蛾などの羽虫とカナブンの一種が次々と飛んできます。
虫が寄ってきました

そして20時16分、ついにミヤマクワガタの♀が飛来しました!
ミヤマクワガタのメスが飛来

点灯開始から6分後という早い飛来に驚きながらも大喜びで「飛来第一号はこれに入れる!」と決めていたマットと止まり木を入れておいた飼育ケースにしまいました。

これならたくさん飛んでくるんじゃないかとワクワクしながら次の飛来を待ちます。

少し間が空いて20時27分、2匹目のミヤマ♀が飛来。

そのすぐ後にノコギリクワガタの♀が飛来し大興奮でした。

その後コクワガタ♂と3匹目のミヤマ♀を追加。

21時になり「ミヤマの♂が飛んでこないかな」と思っていると、ライト後方にバシャッという音が・・・

懐中電灯で照らすと小さいながらもミヤマ♂が!

最高の気分の中、公称値のランタイムからして後30分はできるなと思っていると風の吹く頻度が増し、照射する山にも霧がかかってきました。

そして21時15分過ぎ、遠くからパラパラと雨の降る音が聞こえてきたため撤収することに決めました。

スイッチを切ってライトに付着している羽虫やらカナブンやらを払い三脚から外して専用ケースへ収納。三脚も折りたたんで車のトランクへ。

一連の片付け作業は5分もかかりませんでした。

運転席に乗り込んでエンジンを掛けるとフロントガラスに雨粒が落ち始めしばらくすると本降りに・・・。

片付け作業が楽なのはとても助かりますね!

約1時間の初めての灯火採集はミヤマ♀×3、ミヤマ♂×1、ノコ♀×1、コクワ♂×1という私にとってはとても満足のいく成果でした。(前述の通り、一番最初に飛来したミヤマ♀は別の飼育ケースに入れていたため画像では1匹足りません)

満足いく成果でした

3.ご感想

実際に灯火採集に使用して個人的に思ったことを挙げてみます。

@点灯時の電子音(?)は屋外では気にならない。
製品が到着して動作確認をした時、室内では正直「ちょっとうるさいんじゃないの?」と思いましたが、屋外で使用すると(2〜3メートル離れた位置)まったく気になりません。

Aフォーカス調整は点灯直後のみ!
AZ50SLやSL−3050はフォーカスをワイドとスポットに自分で調整できるというメリットがありますが、点灯してある程度虫が集まってきている時に調整しようとすると、手や顔に羽虫やカナブンがバンバン当たるので現実的ではないです。

特にAZ50SLはヘッド部を手動で回転させるため余計虫が当たりやすいと思います。

調整は点灯直後のみとしたほうが良さそうです。
また、三脚で照射角度の調整をするときも素早くやらないとやはり虫が突っ込んできます。

B準備と片付けが楽
やはりこれが一番のメリットではないでしょうか?
専用ケースから取り出し、三脚を組んで三脚へ取り付け。
スイッチを入れれば点灯開始。
急な雨にもすぐに片付けられるので安心できます。
車へ積み込んでも全然かさばらないのも嬉しいですね。

まだ採集へは1回しか行けていませんが、AZ50SLリビルト品を購入したことにとても満足しています。コストパフォーマンスと使用する際の手軽さは非常に優れていると思います。


私のようにとりあえず灯火採集をしてみたいだとか、発電機+メタハラは値段が高いもしくは収納場所がなくて購入を躊躇しているといった人にお勧めできます。

4.灯火総研より

レポートを拝見して
昨年の6月にHIDハンディライトを使った灯火採集を初めて体験した時の、期待と不安の入り交じった気持ちを思い出しました。

経験を繰り返すことによって得ることのできる灯火採集ポイントの選択、照射方法、照射時間帯など、初めてとは思えないほどよく考えられていてお見事です。

AZ50SLはヘッドを両手で回転させるので少し面倒ですが、一度設定してしまえばあまり動かすことはないです。

オオクワガタやミヤマクワガタを狙う場合は、前方が開けた場所で山の正面よりは頂上を向かって照射します。そのため、できるだけ光が遠くに届くように拡散レンズは装着せずスポットでの照射がおすすめです。

HIDハンディライトの良さや面白さが真っ直ぐに伝わるレポートに感謝申し上げます。